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今回は
「ウィスパーボイスとハスキーボイスの出し方」
について解説していきます。
お手本として取り上げるのは、徳永英明の代表曲である
「壊れかけのRadio」
この曲を聴くと、
「優しい」
「切ない」
「語りかけられているよう」
そんな印象を受ける人も多いでしょう。
実はその秘密の一つが、
ウィスパーボイス
ハスキーボイス
なのです。
高音が出るだけでは人の心は動きません。
時には声を弱くしたり、
あえて息を混ぜたりすることで、
感情は何倍にも伝わるようになります。
今回は、
・ウィスパーボイスとは
・ハスキーボイスとは
・両者の違い
・安全な練習方法
・歌で使うコツ
を詳しく解説していきます。
ウィスパーボイスとは?
ウィスパーボイスとは、
簡単に言うと
「息の割合が非常に多い声」
です。
ささやき声に近い状態ですね。
例えば恋人に
「ありがとう」
と小さく伝える時の声。
あれがウィスパーボイスに近い状態です。
声帯は完全には閉じず、
息が大量に漏れながら発声されています。
そのため、
・柔らかい
・優しい
・繊細
・儚い
という印象を与えやすくなります。
ハスキーボイスとは?
一方ハスキーボイスは、
ウィスパーボイスとは少し違います。
ハスキーボイスは
「声帯が不規則に振動している声」
です。
ガサっとした質感や
ザラっとした質感が特徴です。
よく
「息漏れ=ハスキー」
と思われがちですが、
実際は別物です。
ハスキーボイスには
・息漏れ
・声帯の厚み
・倍音
などが混ざっています。
そのため、
・切なさ
・哀愁
・大人っぽさ
・色気
を表現しやすくなります。
徳永英明さんの歌声はなぜ心に刺さるのか?
徳永英明さんは
「シルキーボイス」
とも呼ばれる独特な歌声の持ち主です。
単純なハスキーボイスではありません。
単純なウィスパーボイスでもありません。
実際には、
息漏れ
↓
芯のある声
↓
少しハスキーな質感
これらを絶妙にブレンドしています。
だからこそ
「弱いのに届く」
という不思議な歌声になるのです。
多くの人は
弱く歌おうとして
ただ声量を落としてしまいます。
しかし徳永さんは違います。
芯は残したまま、
息を混ぜています。
ここが最大のポイントです。
ウィスパーボイス練習法① 「はぁ〜」
まずはウィスパーボイスから作ってみましょう。
やり方は簡単です。
ため息をつくように
「はぁ〜」
と言います。
この時、
音程はなくても構いません。
ポイントは
・力を抜く
・喉を締めない
・息を多めに流す
こと。
この状態が作れたら
次は
「はぁ〜あ〜」
と少しだけ声を混ぜます。
すると
息70% 声30%
くらいの状態になります。
これがウィスパーボイスの入口です。
ウィスパーボイス練習法② 「息から声を生やす」
初心者は逆をやりがちです。
声を出してから息を混ぜようとします。
しかしおすすめは
息から声を生やすこと。
まず
「はーーーー」
と息だけ出します。
その後、
少しだけ声帯を閉じて
「あーーーー」
に変化させます。
すると自然なウィスパーボイスになります。
この方法だと
喉を締めにくいのでおすすめです。
ハスキーボイス練習法① 「朝イチの声を再現する」
朝起きた直後、
少しガラガラしていることがありますよね。
あの状態を軽く再現します。
低めの音で
「うー」
と出してみましょう。
その時、
ほんの少しだけザラつきを感じるはずです。
ただし重要なのは
無理に潰さないこと。
ハスキーボイスは
喉を壊して作るものではありません。
むしろ健康な状態のまま、
倍音を増やしていくイメージです。
ハスキーボイス練習法② 「エッジボイスを利用する」
おすすめなのが
エッジボイスです。
お化けのように
「ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」
と低く鳴らします。
この声は声帯の接触感覚を学ぶのに最適です。
エッジボイスの直後に
「うー」
を出してみましょう。
すると少しハスキーな質感が乗りやすくなります。
ただしやり過ぎは禁物です。
1回数秒程度で十分です。
ウィスパーとハスキーを混ぜると最強
実はプロシンガーの多くは、
どちらか片方ではなく
両方を使っています。
例えば
Aメロではウィスパー気味。
サビ前で少しハスキー。
サビで芯のある声。
このように使い分けています。
特に
「壊れかけのRadio」
のようなバラードでは、
このコントラストが感情表現を大きく左右します。
なぜ息漏れ声は色っぽく聞こえるのか?
ウィスパーボイスやハスキーボイスには独特の魅力があります。
普通に歌っているだけなのに、
「優しく聞こえる」「切なく聞こえる」「感情が伝わる」
そんな不思議な力があります。
その理由の一つは、人間が本能的に小さな音へ意識を向ける性質を持っているからです。
大きな声は遠くまで届きます。
しかし小さな声は、
「もっと聞きたい」「何を伝えようとしているんだろう」
という集中力を引き出します。
だからこそウィスパーボイスは聴き手との距離を縮めることができるのです。
まるで耳元で語りかけられているような感覚。
それが切なさや色気につながります。
ウィスパーボイスは「息の量」ではなく「息の密度」
ここで多くの人が勘違いしているポイントがあります。
それは、
「ウィスパーボイス=息を大量に漏らす声」
ではないということです。
もちろん息は混ざっています。
しかしプロが行っているのは、
息の量を増やすことではなく、
息の密度を調整すること。
例えばシャワーを思い浮かべてみてください。
同じ水量でも、
一点に集中すると勢いが強くなります。
広く拡散すると柔らかく感じます。
息も同じです。
上手なウィスパーボイスは、
息を無駄に大量消費しているわけではありません。
空気の密度を少し薄くして、
柔らかい質感を作っています。
だから長いフレーズでも安定するのです。
逆に初心者は、
「フーーーーーッ!」
と大量の息を吐いてしまいます。
すると息切れしやすくなり、
音程も不安定になります。
大切なのは息の量ではありません。
息の密度です。
ハスキーボイスは「かすれ声」ではなく「声帯の密度」
ハスキーボイスも同様です。
多くの人が、
「喉を潰したような声」
だと思っています。
しかし本物のハスキーボイスは違います。
プロのハスキーな歌声は、
健康な発声の上に成り立っています。
ここで重要なのが、
声帯の密度
という考え方です。
地声でしっかり歌う時は、
声帯同士が比較的密に接触しています。
一方ハスキーボイスでは、
その接触がほんの少しだけ粗くなります。
完全な閉鎖でもない。
完全な息漏れでもない。
その中間です。
つまり、
喉を壊しているのではなく、
声帯の閉鎖密度を微調整しているだけなのです。
「壊れかけのRadio」は密度コントロールの教科書
徳永英明さんの歌声をよく聴くと、
単なるウィスパーボイスではありません。
単なるハスキーボイスでもありません。
実際には、
息の密度と声帯の密度を絶妙にコントロールしています。
Aメロでは息の密度を薄くし、
語りかけるような柔らかさを作る。
しかし声帯は閉じすぎず開きすぎず、
絶妙な芯を残しています。
そして感情が高まる部分では、
少しだけ声帯密度を高めて前へ飛ばす。
だから大声を出しているわけではないのに、
感情だけが自然と届くのです。
まさに
「密度の芸術」
と言えるでしょう。
声帯の中に小さな霧吹きを作る
レッスンでもよくお伝えするイメージがあります。
それは、
「声帯の中に小さな霧吹きを作る」
という感覚です。
普通の地声は水鉄砲。
一直線に飛びます。
一方ウィスパーボイスは霧吹きです。
空気が柔らかく拡散します。
しかし重要なのは、
霧吹きにも圧力があるということ。
ただ弱々しく息を漏らしているわけではありません。
ちゃんと支えがあり、
ちゃんと音程があり、
ちゃんと響きがあります。
この感覚が身につくと、
ウィスパーボイスでも音程が安定するようになります。
ウィスパーボイスで喉を壊す人の特徴
レッスンで非常に多いのが、
ウィスパーボイスを練習して喉を疲れさせてしまうケースです。
その原因は主に3つです。
・息を強く吹きすぎる
・喉を締めて細い声を作る
・長時間練習しすぎる
ウィスパーボイスは繊細な技術です。
力任せにやるものではありません。
短時間で感覚を掴みながら練習した方が上達は早くなります。
ハスキーボイスは「作る」のではなく「乗せる」
初心者が最もやりがちな失敗があります。
それは、
最初からハスキーになろうとすることです。
しかし実際のプロは違います。
まず綺麗な声が出せます。
その上で、
ほんの少しだけハスキーな質感を乗せています。
イメージとしては、
真っ白なキャンバスに絵を描くようなもの。
土台が綺麗だからこそ、
質感の変化が美しく聞こえるのです。
プロは「密度」を演奏している
歌が上手い人を見ると、
高音やビブラートに注目しがちです。
しかし本当に凄い人たちが調整しているのは、
実は密度です。
・息の密度
・声帯の密度
・共鳴の密度
この3つを自在にコントロールしています。
だから同じ人が歌っているのに、
曲によって印象がまるで変わるのです。
バラードでは柔らかく。
ロックでは力強く。
R&Bでは色っぽく。
その違いを作っているのは密度なのです。
感情表現は音量ではなく質感で決まる
歌を始めたばかりの頃は、
感情を込めようとすると大声になります。
しかしプロは逆です。
悲しみを表現する時、
むしろ声量を落とします。
その代わり、
息の密度を変える。
声帯の密度を変える。
響きの密度を変える。
だから聴き手は感情を感じるのです。
『壊れかけのRadio』が今なお愛され続ける理由もここにあります。
派手な高音ではありません。
超絶技巧でもありません。
声の質感だけで人の心を動かしているのです。
まとめ
ウィスパーボイスとハスキーボイスは、
単なるテクニックではありません。
感情を届けるための表現技法です。
そしてその本質は、
息漏れでもかすれ声でもなく、
「密度のコントロール」
にあります。
・ウィスパーボイスは息の密度を調整する技術
・ハスキーボイスは声帯の密度を調整する技術
・どちらも喉を壊して作るものではない
・プロは密度を演奏している
・感情表現は音量ではなく質感で決まる
もしあなたが歌にもっと感情を乗せたいなら、
高音だけを追いかけるのではなく、
ぜひ「密度」に注目してみてください。
『壊れかけのRadio』のような名曲には、
そのヒントがたくさん詰まっています。
歌は音程を当てるものではありません。
歌は感情を届けるものです。
そしてウィスパーボイスとハスキーボイスは、その感情を届けるための最高の武器になるでしょう。🎤✨
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